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谷崎潤一郎/少将滋幹の母 [本(た行の作家)]


少将滋幹の母 (新潮文庫)

少将滋幹の母 (新潮文庫)

  • 作者: 谷崎 潤一郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1953/10/09
  • メディア: 文庫


年老おいた男の若い妻への執着。
それは妻の美しさへの思慕という形をとりながら、
失われた若さへの想いであり、壊れゆく身体への恐怖であり、
必死になって生にしがみつこうとする哀れでもある。
若い頃に読めば、こんな風に年老いたくはない、
と思ったかもしれないけれど、
40を過ぎた今、そう簡単に笑い飛ばすことはできない。
人は元々無いものを嘆きはしない。
あったものが無くなったからこそ、哀しむのだと思う。
だから恋多きということは、悲劇を巻き起こす。
それは我が身にも、相手やその周囲の者にも。
でも恋をして生きたいと思う。


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米澤穂信/犬はどこだ [本(や行の作家)]


犬はどこだ (創元推理文庫)

犬はどこだ (創元推理文庫)

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 文庫


うーん、圧巻。
失踪人探しと古文書解明の地道な謎解きに、
いつのまにかぐいぐい引き込まれる。
答えらしきものは手の届きそうなところにあって、
やきもき焦らされたり乗せられたり、
もう好きにしてくれといった感じで物語に捕らわれの身となる。
挑むのは開業したばかりの素人探偵である。
探偵と言えば、過去にいわくありのハードボイルドな男を、
ついイメージし期待もしてしまうが、いたって小市民的である。
東京の街からやむなく地元に戻ってきた男は、
傷ついているし心折れている。
そんな男のほろ苦い再生の物語とも言えるかもしれない。


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森博嗣/ZOKU [本(ま行の作家)]


ZOKU (光文社文庫)

ZOKU (光文社文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/10/20
  • メディア: Kindle版


子どもの頃、タイムボカンシリーズを見るのが楽しみだった。
正義と悪が完全に分けられているヒーローものとは違って、
正義の方はイケメンでお行儀良く、
どちらかというとキャラが薄いのだけれど、
悪役の方はアクが強くて憎めない、ほっとけない気がした。
どっちが美味しいか、どっちがいい役かと言ったら、
悪役の方じゃないかと思う。
もちろん子どもは全て、正義派なのだけれど、
皆心のどこかでその脱力した自由な魅力に囚われていたはずだ。
その妙味を思い出させるお遊びのような小説だ。
森博嗣、不思議な人だ。もう何を書いても面白い。


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